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zoom RSS 堤幸彦「天空の蜂」素晴らしいか凡作か

<<   作成日時 : 2015/10/05 00:28   >>

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 「天空の蜂」の予告は、たびたび映画館で目にしていたが、イマイチ食指が動かず、しかもたまたま目にした「わくわく CINEMA PARADISE 映画評論家・高澤瑛一のシネマ・エッセイ」なるブログでも、否定的な感想だった。
 これは、見に行くほどでもないかな、というところだった。
 ところがナドレックさん「映画のブログ」では、冒頭に「素晴らしい!」と、エクスクラメーションマーク付き!
 むむっ!(笑) ひそかに尊敬するナドレックさんが素晴らしいというからには、たぶん、素晴らしいに違いない(笑)。
 果たして、高澤瑛一VSナドレック、どちらが正しいのやら。俄然興味がわきだし、見てまいりました。

 結果は、果たして。結論から、言いましょう。ジャンル映画の基本を抑えて、きっちり楽しませてくれる極上エンターティンメント。私は、ナドレックさんに、軍配を上げます。
 では、ここで、高澤の意見を、改めて「検証」して見ます。以下、勝手に引用します。

 脚本を手がけた楠野一郎は、この作品をある意味で怪獣映画だと捉えていたという。ビッグB対新陽という怪獣の激突映画だと。そういう面では、壮大なスペクタクルになっている。
                    ※
 まさに怪獣激突映画ではあるが、それだけにドラマ展開に不満が残る。出演者たちのオーバー・アクト、絶叫調のセリフのやりとり、大袈裟な音楽の使用(音楽:リチャード・プリン)。実行犯の主張“すべての原発の破棄”はアクチュアルだが、スペクタクルに主眼を置くだけに原発問題の論点が曖昧になってしまった。とりわけ、成人した高彦(向井理)が自衛隊員となり、2011年の東日本大震災で人命救助をするという結末は余計なことでは?と思われる。もっと粛々と(??)、静かなタッチで緊張感を盛り上げていくドラマ作りが出来なかったものか。結果、あざといパニック・スペクタクルになってしまった。(★★★)(引用終わり)

>まさに怪獣激突映画ではあるが、それだけにドラマ展開に不満が残る。出演者たちのオーバー・アクト、絶叫調のセリフのやりとり、大袈裟な音楽の使用(音楽:リチャード・プリン)。

 非日常な「怪獣映画」に、過剰・大げさな対応は、むしろ当たり前だのクラッカーでしょう。この非常時に「静かな演劇」を求める必要が、あるのでしょうか。

>実行犯の主張“すべての原発の破棄”はアクチュアルだが、スペクタクルに主眼を置くだけに原発問題の論点が曖昧になってしまった。

 いや、これは、純粋なスペクタクルなのだから、原発問題の論点なんて、「背景の一つ」でしょう。「背景の一つ」なんだから、フォーカスを、あえてはずして、「曖昧」なのは、当たり前で。

>もっと粛々と(??)、静かなタッチで緊張感を盛り上げていくドラマ作りが出来なかったものか。結果、あざといパニック・スペクタクルになってしまった。

 すべての「パニック・スペクタクル」は「あざとい」のでは。むしろ「あざとさ」こそ「パニック・スペクタクル」の、キモ、なのでは。
パニック映画とは、「静かなタッチで緊張感を盛り上げていくドラマ作り」とは、真逆にサスペンスを求めていくはずですよね。なんでしょう、このとんちんかん。
 高澤は、映画会社に勤務ののち、プロの映画評論家になった、ということだが、ジャンル映画の規範を、まったくわかっていない、ないものねだりというしかない。
 おそらく高澤は、本作が「明確に原発を否定していない、なぜならば、それはジャンル映画の必須条件ではないから」という点に不満なんでしょう。
 ナドレックさんのブログによれば、この映画の監督は、聡明に、それを理解している。
 しかし高澤は、あいも変わらず「映画の行間」に不満を持って、「映画そのもの」を見ようとしない。不幸なことだとおもいます。

 と、さんざん人の感想にけちをつけてばかりで、自分の感想を書かないできましたが(笑)。
 きっちりと、快作だとおもいました。
 特に少年救出シークエンスの素晴らしさ。
 原発「新陽」所長・國村隼が、電話で、上司・石橋蓮司と対峙するショットで、なんと、ヒッチコック発明の「トラックダウンしつつズームアップする」テクが使われていて、その素晴らしさに、アゼン(笑)。
 普通このテク、「トラックダウンしつつズームアップする」なんて、イマドキ使ったら、失笑もんだよ、というくらい、手垢がついた手法で、どの映画でもどの映画でも失笑必須なのに、いやあ、この繊細な援用には、参りました(笑)。

 江口の妻に石橋けい(「女優霊」)、若くして白血病で亡くなった原発作業員の母に山口いづみ(TV「雑居時代」)というキャストも、ナイス。
 特別出演格の仲間由紀恵も、こういう地味な役で、いいなあ。美人なんだけど、地味な役が似合う似合う。しかし、かつて川島雄三が「若尾君をオンナにして見せます」といったように、だれか、仲間由紀恵を、オンナとして見せてくれる、監督は、いないものか(笑)。

 なお、犯人のひとりに元自衛隊員がいたためか、この手の映画としては、珍しく?自衛隊が協力していないのが、珍(笑)。

(画像右端見切れは画面上部タイトルをクリック)
映画『天空の蜂』本編映像


PS純金 「天空の蜂」江口洋介&本木雅弘 名古屋でらウマツアー 20150911


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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
こんにちは。面白いですよね、この映画。
なるほど、怪獣の激突映画でしたか。怪獣映画の方法論を持ち込んだから、いっぽん筋が通っているんですね。

山口いづみさんを語るのに「雑居時代」を挙げるのはさすがですね。あのドラマ、大好きでした。
私はやべきょうすけさんの叩き上げっぽい自衛官に痺れました:-)
ナドレック
2015/10/07 20:36
ナドレックさん、ども。
 堤さんは、娯楽に徹していて、しかも本数が多いので、軽く見られていますが、なにげに充実しておりますな。今年は「イニシエーション・ラブ」もあり、「日本のいちばん長い日」「駆け込み女」の原田真人との、監督賞争いが激突状態なんて、日本映画では久々ではないでしょうか。

>なるほど、怪獣の激突映画でしたか。

 ビッグBがフルCGと事前に聞いたのも、敬遠した理由でしたが、実際に見てみると遜色は感じられず。日本映画のCG技術/センスも向上したものです。

>山口いづみさんを語るのに「雑居時代」

 大好きなドラマでしたからね。
本作、最初出て来た時、この女優さん、特色ある(笑)顔だちなんだけど、誰なんだろうと。山口いずみ、ということで腑に落ちました。
 逆にやべきょうすけ(三池「喧嘩の花道 大阪最強伝説」が最高!)は、ラストクレジットで、え、どこにでていたの、とびっくり。
 よくよく考えると、自衛隊員しか考えられず(貼り付けたユーチューブ映像でも確認)ほっとしました(笑)。   昔の映画
昔の映画
2015/10/09 04:46

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